- Step2. 中級編
- 4. 連続型確率分布
4-1. 正規分布
14-1章で、正規分布に従う確率変数 の期待値が
、分散が
の場合、確率密度関数
は次の式で表されることを学びました。

この式から正規分布 の期待値を求めてみます。
■期待値の算出
ここで、 とおくと
ガウス積分の公式より となるので、
となります。
■分散の算出
分散を求めるには、を使います。まず
を求めます。
ここで、 なので、
となります。
また、 は正規分布の確率密度関数の積分であることから
となります。すなわち、
となります。
とおくと
ガウス積分の公式より となるので、
となります。次にを求めます。
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle \left\{E[X] \right\}^2 = \mu^2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-cdc0da78970f6ae1afaa91984dd61194_l3.png)
これらを使って分散を求めると、
となります。正規分布の分散の導出については「正規分布の分散を計算する」や「正規分布の分散を計算する の解説」も参考にしてみてください。
■モーメント母関数を用いた期待値の算出
2-1章で学んだモーメント母関数を使って期待値を算出してみます。まずはじめに正規分布のモーメント母関数を求めます。
は正規分布(平均
、分散
)の確率密度関数の積分であることから
となります。
となります。2-1章で学んだように
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M'_X(0) = E[X]](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-793b88a32d50a0cd9a011c3142818680_l3.png)
であることから、まずをtで1回微分します。
0を代入すると
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M'_X(0) = E[X] = (\mu + \sigma^2t) e^{t\mu+\frac{\sigma^2t^2}{2}} = (\mu + 0) \times 1 = \mu](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-992c9c9167e05d738247bbdf7e65ead5_l3.png)
となります。
■モーメントを用いた分散の算出
2-1章で学んだように
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M''_X(0) = E[X^2]](https://bellcurve.jp/statistics/wp-body/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-b257cb0a66d0ca836e97c6b8f3a0e3a4_l3.png)
であることから、をtで2回微分します。
0を代入すると
となることから、V[X]は次のように計算できます。