- Step2. 中級編
- 3. 離散型確率分布
3-1. 二項分布
13-1章で、成功確率のベルヌーイ試行を
回行うときにちょうど
回成功する確率、すなわち
となる確率は次の式から計算できることを学びました。
この式から二項分布の期待値を求めてみます。
■期待値の算出
ここで、、
とおくと
は二項分布の確率の総和であることから「1」になります。したがって、
となります。
■分散の算出
分散を求めるには、を使います。まず
を求めます。
ここで、は期待値の算出式から
となります。また、
は二項分布の確率の総和であることから「1」になります。したがって、
となります。次にを求めます。
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle \left\{E[X] \right\}^2 = (np)^2](https://bellcurve.jp/statistics/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-073257d86a2d696f3c85de2334ed7121_l3.png)
これらを使って分散を求めると、
となります。
■モーメント母関数を用いた期待値の算出
2-1章で学んだモーメント母関数を使って期待値を算出してみます。まずはじめに二項分布のモーメント母関数を求めます。
二項定理より
となります。2-1章で学んだように
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M'_X(0) = E[X]](https://bellcurve.jp/statistics/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-1f23e6f41a73807eea87b0c2e729fee1_l3.png)
であることから、まずをtで1回微分します。

0を代入すると
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M'_X(0) = E[X] = np(p+1-p)^{n-1} = np](https://bellcurve.jp/statistics/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-a3c329f13764c05c363a91da0843b5d7_l3.png)
となります。
■モーメントを用いた分散の算出
2-1章で学んだように
![Rendered by QuickLaTeX.com \displaystyle M''_X(0) = E[X^2]](https://bellcurve.jp/statistics/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-458bb322e4017a02b4296804b955e432_l3.png)
であることから、をtで2回微分します。
0を代入すると
となることから、V[X]は次のように計算できます。