- Step2. 中級編
- 3. 離散型確率分布
3-3. 幾何分布
成功確率がである独立なベルヌーイ試行を繰り返す時、初めて成功するまでの試行回数が従う確率分布を幾何分布といいます。確率変数が幾何分布に従う場合、成功確率がの試行において、回目で初めて成功する確率は次の式から計算できます。
この式から幾何分布の期待値を求めてみます。
■期待値の算出
となります。ここで、を求めると、
となります。を求めると、
となることから、等比数列の和の公式より
ここでを考えると
となります。
■分散の算出
分散を求めるには、を使います。まずを求めます。
となります。ここで、を求めると、
となります。を求めると、
この式を整理すると
となります。この式をよく見ると、等差数列と等比数列の積になっています。公比をかけた式を作り、を計算します。
となります。等比数列の和の公式を利用すると
ここでを考えると
となります。次にを求めます。
これらを使って分散を求めると、
となります。
■モーメント母関数を用いた期待値の算出
2-1章で学んだモーメント母関数を使って期待値を算出してみます。まずはじめに幾何分布のモーメント母関数を求めます。
となることから、等比数列の和の公式より
この式はのときに収束します。このとき、
となります。2-1章で学んだように
であることから、まずをtで1回微分します。
t=0を代入すると
となります。
■モーメントを用いた分散の算出
2-1章で学んだように
であることから、をtで2回微分します。
t=0を代入すると
となることから、V[X]は次のように計算できます。