- Step1. 基礎編
- 27. 回帰分析
27-2. 最小二乗法
27-1章で学んだように、回帰分析では偏回帰係数を最小二乗法を用いて算出します。この章では偏回帰係数の実際の求め方について学びます。
最小二乗法を用いて回帰式のとを定める場合、次の式をとそれぞれで偏微分した式を0とした2つの式を使います。
で偏微分すると、
となり、で偏微分すると、
となります。これらの式を0とすると、次のような式が得られます。
これら(1)(2)の式(正規方程式とよばれることがあります)を整理することで、との推定値であるとを求める式を導くことができます。
(1)の式を変形すると
となります。、からとを得ます。
(2')-(1')を計算すると、
となります。したがって、とを求める式は次のようになります。
は次のように書くこともできます。
ただし、はとの共分散を、はの分散を、はの分散を、はとの相関係数を表します。
■回帰式の特徴
- 推定値の平均値は、実際の観測値の平均と等しい
- 回帰直線はを通る
(1)の両辺をで割ると
となり、観測値の平均値(左辺)と推定値の平均値(右辺)が等しくなることが分かります。
(1)の式と回帰式を使って
を得ます。この式から、のとき、となることが分かります。