逆行列が存在しないケース
相関行列と偏相関行列で偏相関行列を求める場面、重回帰分析、因子分析で因子得点を求める場面などでは、変数間の相関行列から逆行列を計算する必要があります。「逆行列が存在しないため計算できません」といったメッセージが表示されたときには、まず下記のようなケースでないかデータをチェックしてください。
変数間に線形結合があるケース
例えば、X、Y、Zの3つの変数があるとして、3つの変数の間で次の1次方程式が成り立つなら、この変数間には線形結合(1次結合)が発生していることになります。
Z = aX + bY (a、bは定数)
変数間の相関係数が「1」、「0」、「-1」といった場合にも、線形結合が発生しています。この場合、分析を行うには線形結合が発生している変数を分析対象から除く必要があります。線形結合している変数は、変数間の相関行列の固有値が0となる変数を探すことで見つけることができます。
変数の個数がサンプルサイズより多いケース
この場合、分析を行うにはサンプルサイズを増やすか、変数を削る必要があります。