クイック統計
クイック統計とは
アンケート調査の目的は、データの分布(ばらつき)を調べることにあります。データの分布にはいろいろな形態があります。カテゴリカルなデータの場合、性別や生まれ月のように必ず均等にばらつくものもあれば、支持政党のように時代や状況によって変化するものもあります。数量的なデータでは、身長や体重のように平均値まわりに集まるものや、交通事故の経験など、極端な右下がりを示すようなものもあります。
「秀吉Dplus」には、データの分布をグラフにより視覚的に把握するためのアプリケーション[クイック統計]が用意されています。[クイック統計]を使うと、クリックやドラッグ&ドロップのようなマウス操作だけで度数分布表やグラフ、散布図など、多彩なグラフを表現でき、データの分布や相関関係を瞬時に表すことができます。
[クイック統計]は、今あるデータの姿をグラフにしてブラウズするための機能であり、結果は保存できません。不明(無回答)データは、グラフ、数値データのいずれの分析の対象からも除かれます。
クイック統計の使用目的
データの分析、性質をすばやく的確に表現する
たとえば、ある試験科目データの平均点が60点であったとします。この場合、実際の点数の分布が60点を中心に集まっているのか、50点と70点のところに点数が集中し、平均点が60点になったのかは、ヒストグラムに描けば一目でわかります
集計や多変量解析に使用する変数の妥当性を評価する
外れ値を調べるケースなどが考えられます。たとえば、調査対象者100人に年収を聞き、1億円の人が1人いたとします。この結果、1人のために平均値が100万円も上がってしまい、平均値の意味が薄れてしまいます。集計や多変量解析は変数にばらつきがあることが前提となっています。このため、極端に偏ったデータは分析の対象から外したり、カテゴリカルなデータでは回答の少ないカテゴリを他のカテゴリに統合するような工夫が必要です
多変量解析の解釈を助ける
多変量解析を行うと、因子得点やクラスター番号など、サンプルごとに得ることのできる情報があります。クラスター分析に使う変量をクラスターナンバーで分類してグラフを描けば、クラスターのプロファイリングの手助けとなります。