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  • Step1. 基礎編
  • 16. 標本と抽出法

16-4. 研究デザイン

■実験研究

研究対象に対して何らかの介入(投薬や治療など)を行い、その効果を検証するための研究デザインのことです。

例1)ある降圧剤の効果を検証するために、薬投与群とプラセボ投与群との間で血圧の比較を行う

例2)新しい肥料の効果を検証するために、新しい肥料投与群と古い肥料投与群との間で作物の収量を比較する

・ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)(前向き研究)

実験群と対照群への割り付けをランダムに行い、介入の効果を調べる研究のことです。これにより、こうすることで、医師が特定の傾向の人に協力を募ったことによるバイアスや、試験協力者の治療効果への期待や知識の違いによるバイアスなど、バイアスの出現率が実験群と対照群で理論上は等確率になります。実験群、対照群ともバイアスの影響が等しいので、両群で差が見られたなら、それは新しい治療法の効果と捉えることができます。

・クロスオーバー試験(前向き研究)

対象者を実験群、対象群の2群に分けて介入を行い、比較を行います。その後、一定の期間をあけてから実験群の対照群を入れ替えて再度介入を行い、比較を行います。クロスオーバー試験はランダム化比較試験に比べて少ないサンプルサイズでも実施できますが、持ち越し効果(先に実験群に割り付けられ、次に対照群に割り付けられた場合に実験群の効果が残ってしまっていること)が発生する可能性があります。

■観察研究

研究対象に対して介入(投薬や治療など)を行わなずに、観察によってデータを集めて解析を行う研究デザインのことです。実験研究が必要な場合でも、様々な理由により実験を行うことが不可能な場合には観察研究が行われます。

横断研究

ある1時点において断面的調査を行い、要因と結果の関連を調べる研究のことです。過去に遡った調査や、未来に向かって調査を行うことはありません。

例)年齢と視力について興味がある場合に、さまざまな年齢の人に対して視力検査を行う。

コホート研究前向き研究/後ろ向き研究

異なる特性を持つ対象集団(コホート)において、ある特性を持つ/暴露がある群とそうではない群に分け、時間の流れに沿って疾患の発生や改善などを観察し、その特性/暴露と疾患との関係を調べる研究のことです。前向きコホート研究と後ろ向きコホート研究があります。

例1)注意障害有無群で、1年後に転倒経験有無に関連があるか調べる

例2)久山町研究

・ケースコントロール研究(症例対照研究)(後ろ向き研究)

ある病気に罹患している群と対照群に対して、その病気の特性/暴露の有無との関係を調べる研究のことです。発生頻度が稀な病気の研究に対して広く使われています。

例)乳がんの患者と健常者との間で、ある遺伝子への変異発生頻度を比較する





16. 標本と抽出法

事前に読むと理解が深まる- 学習内容が難しかった方に -

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