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  • 16. 標本と抽出法

練習問題(16. 標本と抽出法)

1

次の文章において、「日本に住む女性全員」という集団は母集団か標本のどちらであるか。

  1. 全世界の女性全員について推論を行う場合
  2. 日本に住む女性全員について推論を行う場合

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  1. :「日本に住む女性全員」は推論したい対象である「全世界の女性」の一部であることから、「標本」であると言えます。
  2. :「日本に住む女性全員」は推論したい対象そのものであるため、「母集団」であると言えます。

このように、ある集団が母集団となるか標本となるかは、調査対象によって変化する点に注意してください。

2

10人の女性の身長を測定するという作業を2回繰り返して次のような標本を得た。この標本のサンプル数やサンプルサイズについて、正しい組み合わせを選べ。

  1. サンプル数は2で、サンプルサイズはどちらも2
  2. サンプル数は10で、サンプルサイズはどちらも2
  3. サンプル数は10で、サンプルサイズはどちらも10
  4. サンプル数は2で、サンプルサイズはどちらも10
No. 標本A 標本B
1 165.6 157.0
2 151.1 151.1
3 149.7 153.2
4 148.4 154.4
5 159.0 161.9
6 163.6 153.6
7 162.9 163.8
8 150.8 159.5
9 148.4 149.3
10 153.7 152.7

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10人のサンプルを抽出する作業を2回繰り返しているので、サンプル数は「2」で、サンプルサイズはどちらも「10」です。よって、答えは4となります。

3

次の調査はいずれの抽出法を用いたものか。

A図書館にある本の平均ページ数についての調査を行うことになった。調査にあたって、A図書館内にある本棚からランダムに10個の本棚を選び、その本棚に並んでいるすべての本のページ数を調べるという方法を計画した。

  1. 単純無作為抽出法
  2. 系統抽出法
  3. 層化抽出法
  4. 二段抽出法
  5. 集落抽出法

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  1. ×:単純無作為抽出法は、乱数表を用いて、母集団から必要数だけ完全にランダムに標本を抽出する方法です。
  2. ×:系統抽出法は、母集団に通し番号をつけ、それ以下の通し番号を持つ点から無作為に一点目の標本を抽出し、そこから等間隔で(抽出間隔ごとに)標本を抽出する方法です。
  3. ×:層化抽出法は、母集団をその特性に応じていくつかの層に分類することが可能な場合に、母集団を層化し、各層からランダムに標本を抽出する方法です。
  4. ×:二段抽出法は、統計学の時間で紹介していない抽出法ですが、多段抽出法における第二段までの抽出方法のことです。すなわち、母集団をいくつかのグループに分け、そこから無作為抽出でいくつかグループを選び、さらにその中から標本を無作為抽出する方法です。
  5. ◯:集落抽出法(クラスター抽出法)は二段抽出法(多段抽出法)と似ていますが、最後の調査対象の選び方が異なります。母集団をいくつかのグループに分け、そこから無作為抽出でいくつかグループを選び、その中に含まれるもの"全て"を標本とする方法です。

4

標本抽出について述べられた文章のうち、正しいものを選べ。

  1. いかなる場合においても、全数調査を行うべきである。
  2. 単純無作為抽出法は無作為抽出において最も良い方法であり、層化抽出法や集落抽出法などの方法は単純無作為抽出が出来ない場合の代替法である。
  3. 層化抽出法は、層毎に特徴は異なるが、層内では似通った集団に対して適用すると非常に効率が良い。
  4. 学生について調査を行う際、まず初めにいくつかの学校を選定し、その中から特定のクラスを抽出し、更にその中から学生を無作為抽出する方法を集落抽出法と言う。

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  1. ×:全数調査は、母集団サイズが大きい場合には、時間やコストの面から現実的でない可能性があります。
  2. ×:どのような場合においても単純無作為抽出が最も良い方法である、とは言えません。例えば、層化抽出法は「層間では異なるが、層内では似ている」というケースに用いる事で、単純無作為抽出法よりも推定精度が高くなります。
  3. ◯:正しいです。このような場合には層化抽出法が適しています。
  4. ×:集落抽出法は、最終的に抽出されたもの全てを標本とします。問題文は「多段抽出法」の説明です。

5

標本抽出について述べられた文章のうち、正しくないものを選べ。

  1. 多段抽出法を行う場合、事前に母集団に関する情報が分かっていなくても使える。
  2. インターネットアンケートにおける標本抽出方法は、単純無作為抽出法であるとは言えない。
  3. 母集団が大きくなると、単純無作為抽出法よりも系統抽出法の方が手間がかからないため、視聴率の調査などに用いられている。
  4. 層別抽出法は、まずはじめに母集団から抽出された標本を用いて層別に必要な情報を取得し、その情報を元に各層の中から必要な数の標本を無作為に抽出する方法である。

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  1. ◯:多段抽出法は事前に母集団に関する情報が分かっていなくても使えます。
  2. ◯:インターネットアンケートは、アンケートに答える意欲のある人や、アンケートに回答する時間がある人が主として回答するため、単純無作為抽出法とは言えません。
  3. ◯:母集団が大きくなると、母集団全てに通し番号を振ったり乱数を発生させて標本を抽出する作業は手間がかかります。単純無作為抽出法を簡便にした系統抽出法は、実際の視聴率の調査に用いられています。
  4. ×:誤りです。問題文は「二相抽出法」についての説明です。

16. 標本と抽出法


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