- Excelノート
- 統計検定 データサイエンス基礎のためのExcelの使い方
1-2. Excelで統計解析をしてみよう
Excel関数を使った統計解析の方法について紹介します。下記のリンクからそれぞれの分布の解説に飛ぶことができます。
正規分布に関するExcel関数一覧
関数 | 使い方 | 説明 |
---|---|---|
NORM.DIST NORMDIST | NORM.DIST(値,平均,標準偏差,関数形式) NORMDIST(値,平均,標準偏差,関数形式) | 正規分布の値 ・関数形式の設定 TRUE:累積分布関数の値 FALSE:確率密度関数の値 |
NORM.INV NORMINV | NORM.INV(確率,平均,標準偏差) NORMINV(確率,平均,標準偏差) | 正規分布の累積分布関数の逆関数の値 |
NORM.S.DIST NORMSDIST | NORM.S.DIST(z,関数形式) NORMSDIST(z) | 標準正規分布の値 ・関数形式の設定 TRUE:累積分布関数の値 FALSE:確率密度関数の値 |
NORM.S.INV NORMSINV | NORM.S.INV(累積確率) NORMSINV(累積確率) | 標準正規分布の累積分布関数の逆関数の値 |
標準正規分布表における上側2.5%点は「1.96」で、これは統計学でよく使われる値です。この値を使って、標準正規分布に関するExcel関数の使い方について次の図にまとめます。
t分布に関するExcel関数一覧
関数 | 使い方 | 説明 |
---|---|---|
T.DIST | T.DIST(値,自由度,関数形式) | t分布の値 ・関数形式の設定 TRUE:累積分布関数の値 FALSE:確率密度関数の値 |
T.DIST.RT | T.DIST.RT(値,自由度) | t分布の右側確率 |
T.DIST.2T | T.DIST.2T(値,自由度) | t分布の両側確率 |
TDIST | TDIST(値,自由度,分布の指定) | t分布の右側確率/両側確率 ・分布の指定 1:片側分布 2:両側分布 |
T.INV | T.INV(確率,自由度) | t分布の左側確率の逆関数の値 |
T.INV.2T TINV | T.INV.2T(確率,自由度) TINV(確率,自由度) | t分布の両側確率の逆関数の値 |
T.TEST TTEST | T.TEST(配列1,配列2,検定の指定,検定の種類) TTEST(配列1,配列2,検定の指定,検定の種類) | t検定の結果 ・検定の指定 1:片側検定 2:両側検定 ・検定の種類 1:対応のある2標本t検定 2:対応のない2標本t検定(等分散) 3:対応のない2標本t検定(不等分散) |
自由度5のt分布を使って、t分布に関するExcel関数の使い方について次の図にまとめます。
次に、Excel関数を使ったt検定のやり方を説明します。
次のデータはあるクラスの生徒10人分の、補習前と補修後の数学の試験結果(100点満点)です。このデータを使って、補習後に成績が上がったかどうかを検定してみます。
t検定はT.TESTもしくはTTEST関数を使って行います。この検定では補習後に成績が上がったかどうかだけを知りたいので「片側検定」、また、このデータは対応があるデータ(同じ対象に対する2つのデータ)なので、「対応のある2標本t検定」を行います。
結果を出力させたいセルを選択し、「=T.TEST(B2:B11,C2:C11,1,1)」と入力します。
すると、P値が出力されます。
P値は0.05(5%)を下回っていることから、補習後に有意に成績が上がったと言えます。
カイ二乗分布に関するExcel関数一覧
関数 | 使い方 | 説明 |
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CHISQ.DIST | CHISQ.DIST(値,自由度,関数形式) | カイ二乗分布の値 ・関数形式の設定 TRUE:累積分布関数の値 FALSE:確率密度関数の値 |
CHISQ.DIST.RT CHIDIST | CHISQ.DIST.RT(値,自由度) CHIDIST(値,自由度) | カイ二乗分布の右側確率 |
CHISQ.INV | CHISQ.INV(確率,自由度) | カイ二乗分布の左側確率の逆関数の値 |
CHISQ.INV.RT CHISQINV | CHISQ.INV.RT(確率,自由度) CHISQINV(確率,自由度) | カイ二乗分布の右側確率の逆関数の値 |
CHISQ.TEST CHISQTEST | CHISQ.TEST(実測値範囲,期待値範囲) CHISQTEST(実測値範囲,期待値範囲) | カイ二乗検定の結果 |
F分布に関するExcel関数一覧
関数 | 使い方 | 説明 |
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F.DIST | F.DIST(値,自由度1,自由度2,関数形式) | F分布の値 ・関数形式の設定 TRUE:累積分布関数の値 FALSE:確率密度関数の値 |
F.DIST.RT FDIST | F.DIST.RT(値,自由度1,自由度2) FDIST(値,自由度1,自由度2) | F分布の右側確率 |
F.INV | F.INV(確率,自由度1,自由度2) | F分布の左側確率の逆関数の値 |
F.INV.RT FINV | F.INV.RT(確率,自由度1,自由度2) FINV(確率,自由度1,自由度2) | F分布の右側確率の逆関数の値 |
F.TEST FTEST | F.TEST(配列1,配列2) FTEST(配列1,配列2) | F検定の結果 |
統計検定 データサイエンス基礎のためのExcelの使い方
- 1-1. Excelで基本統計量を計算しよう
- 1-2. Excelで統計解析をしてみよう
- 1-3. Excelで数値計算をしてみよう
- 1-4. Excelの様々な便利機能を試してみよう
- 1-5. Excel関数を使いこなしてみよう