- Step0. 初級編
- 9. 研究計画
9-2. 研究計画を立ててみよう
先生のサポートや友達のアドバイスを受け、研究計画がだいぶ完成に近づいてきました。ここで、くろの研究計画を見てみます。
名前 | くろ |
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大きな課題 | 家でのお手伝いについて |
具体的な課題 | ねこ第1小学校の1年生は家でどのようなお手伝いをどのくらいしているのか |
研究計画 | 研究対象:ねこ第1小学校の1年生100匹 質問内容:
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くろは毎朝、配達された牛乳を郵便受けからとってくるというお手伝いをしているそうです。そこで、1年生の猫たちがどのようなお手伝いをしているのか気になったのでこのような課題を選んでみたとのことでした。
この研究計画に対して次のような意見が出ました。
- お手伝いをしていない猫はこのアンケートには参加できないのですか?
- 「何回お手伝いをしていますか」は1日あたりですか?
さらに先生からは、「なぜくろは毎日お手伝いをしているのかな?楽しいから?他の猫はくろと同じ理由かな?お手伝いをどんな気持ちでやっているかを一緒に聞いてみたら分かるかもしれないね」というアドバイスをもらいました。これらをふまえて、くろは研究計画を次のように改良してみました。
名前 | くろ |
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大きな課題 | 家でのお手伝いについて |
具体的な課題 | ねこ第1小学校の1年生は家でどのようなお手伝いをどのくらいしているのか |
研究計画 | 研究対象:ねこ第1小学校の1年生50匹 質問内容:
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くろは研究対象を100匹から50匹に変更しました。1年生100匹にアンケートを行うのは大変だと考え、その半分の50匹に対してアンケートを行おうと考えたのです。
- 全数調査
- 標本調査
調査対象となる集団を全て調べること。この集団のことを「母集団」といいます。くろの研究の場合、ねこ第1小学校の1年生100匹全員が「母集団」で、この100匹全員を対象とする調査を「全数調査」といいます。国勢調査は全数調査の代表例です。
調査対象となる母集団の一部を取り出して調べること。取り出された集団のことを「標本」といいます。くろの研究の場合、ねこ第1小学校の1年生100匹から選ばれた50匹が「標本」で、この50匹を対象とする調査を「標本調査」といいます。また、この50匹のことを「標本の大きさ」といいます。家計消費状況調査や街頭アンケートは標本調査の代表例です。
ただし、50匹をどのように選んだらよいか頭を悩ませていました。友達ばかりを選んでしまうと自分と同じオスが多くなってしまい、標本に偏りが出てしまうと考えたのでした。
- 単純無作為抽出法
母集団の中からランダムに標本を抽出することで、標本調査の最も基本的な方法です。母集団に含まれている個体に対して通し番号を振り、それらの番号の中からランダムに番号を選ぶことで単純無作為抽出を行うことができます。
ねこ第1小学校の1年生には生徒番号として1番から100番までの通し番号が振られています。くろはこの生徒番号を利用して、1番から100番までの番号がついたくじ引きからランダムに50本を選び、選ばれた番号の猫にアンケートへの回答をお願いすることにしました。