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  • Step1. 基礎編
  • 12. 累積分布関数と確率変数の期待値・分散

12-1. 累積分布関数とは


累積分布関数とは「確率変数Xがある値x以下(X \leq x)の値となる確率」を表す関数です。累積分布関数は、大文字の「F」を用いて「F(x)」と表されます。

 F(x)=P(X \leq x)

例えばさいころを投げたときに「出る目が4以下となる確率」や「出る目が4から6の目が出る確率」といった、ある範囲の確率を求める場合があります。このような場合には「累積分布関数」を使うと非常に便利です。

■確率変数が離散型である場合

累積分布関数は「確率変数Xのとる値がxとなるまでの確率pを全て足し合わせたもの」です。式で表すと次のようになります。

Xx_1x_2・・・x_{n-1}x_n
P(X)p_1p_2・・・p_{n-1}p_n

 F(x)=P(X \leq x)= \displaystyle \sum_{X\leq x} P(X)

例えばさいころを投げて出る目を確率変数Xとするとき、累積分布関数を計算すると次のようになります。

さいころの出る目 (X)123456
確率 (P(X))\displaystyle \frac{1}{6}\displaystyle \frac{1}{6}\displaystyle \frac{1}{6}\displaystyle \frac{1}{6}\displaystyle \frac{1}{6}\displaystyle \frac{1}{6}
  • Xが1以下になる確率
  •      \begin{eqnarray*} F(1)&=&P(X \leq 1)= \displaystyle \sum_{X\leq 1} P(X) \\ &=&P(1)=\displaystyle \frac{1}{6} \end{eqnarray*}

  • Xが2以下になる確率
  •      \begin{eqnarray*} F(2)&=&P(X \leq 2)= \displaystyle \sum_{X\leq 2} P(X) \\ &=&P(1) +P(2)\\ &=&\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}\\ &=& \displaystyle \frac{1}{3} \end{eqnarray*}

  • Xが3以下になる確率
  •      \begin{eqnarray*} F(3)&=&P(X \leq 3)= \displaystyle \sum_{X\leq 3} P(X) \\ &=&P(1) +P(2) +P(3)\\ &=&\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}\\ &=& \displaystyle \frac{1}{2} \end{eqnarray*}

  • Xが6以下になる確率
  •      \begin{eqnarray*} F(6)&=&P(X \leq 6)= \displaystyle \sum_{X\leq 6} P(X) \\ &=&P(1) +P(2) +P(3)+ P(4)+ P(5) +P(6)\\ &=&\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}+\displaystyle \frac{1}{6}\\ &=& 1 \end{eqnarray*}

次の図は、さいころの出る目の確率とその累積分布関数を示したものです。F(6)P(1)からP(6)までのすべての確率を足し合わせているので、「1」になります。

図2

■確率変数が連続型である場合

累積分布関数(「確率変数Xがある値x以下(X\leq x)の値となる確率」を表す関数)は、確率密度関数における-\inftyからxまでの面積と考えることができます。確率密度関数をf(t)とおくと、次のように確率密度関数f(t)の積分によって累積分布関数を求めることができます。

 F(x)=P(X \leq x)=\displaystyle \int_{- \infty}^{x} f(t)dt

次の図は、2種類の確率密度関数とその累積分布関数を図示したものです。

図3

【コラム】f(x)とF(x)

一般に、確率密度関数(=確率変数Xがある値xとなる確率密度を表す関数)は小文字の「f」を用いてf(x)と表されます。一方、累積分布関数(=確率変数Xx以下となる確率を表す関数)は確率密度関数と区別するため、大文字の「F」を用いてF(x)と表されます。

確率変数が連続型である場合、累積分布関数F(x)は確率密度関数f(x)を積分することで求められます。逆に、確率密度関数f(x)は累積分布関数F(x)を微分することで求めることができます。

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