BellCurve 統計WEB

未経験からデータ分析が学べる
無料登録してPythonを学ぶ
  • Step2. 中級編
  • 1. 2×2のクロス集計表と様々な比率

1-1. 検査精度


クロス集計表とは2つのカテゴリーに属するデータをそれぞれのカテゴリーで同時に分類し、その度数を集計したものです。その中でも、各カテゴリーが2つずつのものを2×2のクロス集計表といいます。次の表はある病気の検査結果と、実際にその病気に罹患しているかどうかを2×2のクロス集計表にまとめたものです。

罹患している罹患していない
検査陽性(+)953
検査陰性(-)597

この表は合計200人のデータから得たものです。内訳は、ある病気に罹患している人100人と罹患していない人100人で、これは95+5=100、および3+97=100という計算から求められます。

10-6章で少しだけ紹介しましたが、このようなクロス集計表から求められる検査精度の指標が幾つかあります。次のクロス集計表を用いて説明します。

罹患している罹患していない合計
検査陽性(+)aba+b
検査陰性(-)cdc+d
合計a+cb+da+b+c+d

・「感度(真陽性率)」:a/(a+c)

実際にその病気に罹患している人の中で、検査で陽性になった人の割合のこと。

・「特異度(真陰性率)」:d/(b+d)

その病気に罹患していない人の中で、検査で陰性になった人の割合のこと。

・「陽性的中率(PPV)」:a/(a+b)

検査で陽性になった人の中で実際にその病気に罹患している人の割合のこと。

・「陰性的中率(NPV)」:d/(c+d)

検査で陰性になった人の中でその病気には罹患していない人の割合のこと。

・「偽陽性率」:b/(b+d)

その病気に罹患していない人の中で、検査で陽性になった人の割合のこと。

・「偽陰性率」:c/(a+c)

実際にその病気に罹患している人の中で、検査で陰性になった人の割合のこと。

・「陽性尤度比」:{a/(a+c)}/{b/(b+d)}=感度/{1-特異度}=感度/偽陽性率

検査結果が陽性の人に着目したときに、罹患者が非罹患者に対してどの程度陽性になりやすいかを表す量のこと。感度を偽陽性率で割ることで算出できる。

・「陰性尤度比」:{c/(a+c)}/{d/(b+d)}={1-感度}/特異度=偽陰性率/特異度

検査結果が陰性の人に着目したときに、罹患者が非罹患者に対してどの程度陰性になりやすいかを表す量のこと。偽陰性率を特異度で割ることで算出できる。

これらの指標は検査の能力や有用性を表します。これらの指標を、冒頭で示したクロス集計表に当てはめてみます。

罹患している罹患していない
検査陽性(+)953
検査陰性(-)597

計算結果は次のとおりです。

項目 計算結果
感度 95/(95+5)=0.95
特異度 97/(3+97)=0.97
陽性的中率 95/(95+3)=0.97
陰性的中率 97/(5+97)=0.95
偽陽性率 3/(3+97)=0.03
偽陰性率 5/(95+5)=0.05
陽性尤度比 {95/(95+5)}/{3/(3+97)}=31.67
陰性尤度比 {5/(95+5)}/{ 97/(3+97)}=0.05


1. 2×2のクロス集計表と様々な比率


統計学やデータ分析を学ぶなら、大人のための統計教室 和(なごみ) [業務提携]


統計WEBを運営するBellCurveは、統計解析ソフト「エクセル統計」を開発・販売しています! 統計解析ソフト「エクセル統計」をインストール後のExcel上のタブとメニュー エクセル統計ジャケット画像


【BellCurve監修】統計検定®2級対策に最適な模擬問題集1~3を各500円(税込)にて販売中!

Kindleストアで配信中

統計検定®2級 模擬問題集1

500円(税込)

統計検定®2級 模擬問題集2

500円(税込)

統計検定®2級 模擬問題集3

500円(税込)