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クロス集計表から分析する(4)

2017/08/24

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


今回は、残る2つ、コレスポンデンス分析と双対尺度法(そうついしゃくどほう)について触れます。コレスポンデンス分析はフランス人のベンゼクリ(Benzecri,J,P.)が1970年代に、双対尺度法は日本人の西里静彦氏が1980年に提案しました。

この2つの解析手法は、クロス集計表の行の要素と列の要素を、1枚のマップ上にレイアウトするために用います。西里静彦氏の『質的データの数量化』(朝倉書店,1982)に載っていたデータを利用して、それぞれのマップを比べてみましょう。

データとなるクロス集計表は、ガーマイズとリラクラが行ったロールシャッハ・テスト(心理テストの1つ。インクのシミのような模様を見せて、何に見えたかを聞き取るテスト)による実験の結果です。列は被験者がロールシャッハ図版を眺めていた時の気分、行が図版が何に見えたかです。



枠線で囲んだ範囲をエクセル統計に読み込ませて分析します。どちらの手法を利用しても、アウトプットの末尾に1枚のマップが出力されます。次の(1)がコレスポンデンス分析を使って、(2)が双対尺度法を使って分析し得られたマップです。

一見すると異なるマップのようですが、(2)のマップを180度回転させると、(1)のマップと同じになることが分かります。つまり、この2つの解析手法により得られる座標の値は異なりますが、結論としては等質です。つまり、要素間の相対的位置関係は等しくなります。

マップ上の要素間の距離の近さは、出現の仕方が似ているということを意味するので、どちらのマップを見ても、安心して眺めていた人は山に見えた人が多く、蝶や血に見えた人は少なかったということです。同じ集計表から得たマップですから、異なる配置になったら困ってしまいますね。



さて、この2つ解析手法を用いる場合、分析する集計表は3行×3列以上でなければいけません。2行或いは2列のクロス集計表をマッピングしたいなら、集計表からではなく元となったデータから、数量化3類を使って分析するとマップが得られます。



なお、エクセル統計のコレスポンデンス分析では、%表や平均値表からもマップを作成することも可能です。



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