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平年より早く―平均気温、平年気温

2017/08/13

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※コラム「統計備忘録」の記事一覧はこちら


深沢 呑川緑道桜横

桜は、秋に花芽(かが)を作って冬の間は休眠しています。花芽は低温に一定期間さらされることで冬の終わりを感じ取り、休眠から目覚めて花を咲かせる準備を始めます。これを休眠打破といいます。

ところで、天気予報でもおなじみの「平年」ですが、「平年」とは、いったい何を指しているのでしょうか。気象庁のホームページを調べてみました。

気象庁では全国のアメダスから気象データを収集しています。1日の平均気温は深夜1時から24時までの1時間ごと、24回の測定気温を平均したものです。

ちなみに、最高気温や最低気温は、2003年から10分毎に測定した気温から決めるようになりました。10分毎にしたことで最高気温は平均して0.3℃上がり、最低気温は0.2℃下がったそうです。

続いて、月の平均気温は1日の平均気温を1か月分合計して、1ヶ月の日数で割ります。1ヶ月間の毎時の気温を合計して日数×24で割った値と月平均気温は一致します。

年平均気温については、1月から12月の月平均気温を合計して12で割ります。月によって日数が異なるので、1年間の毎日の平均気温を合計して1年間の日数で割った値と、年平均気温は僅かに異なる可能性があります。2月のある日の気温は8月のある日の気温よりも、年平均気温に与える影響が若干大きいということですね。

本題の「平年」ですが、これは「過去30年間」の平均です。ただし、直近の過去30年ではありません。平年気温は10年に1回しか計算しません。計算しなおすのは西暦の末尾が1の年です。最新の平年気温は、2001年に計算され、1971年から2000年までの平均になります。

次のグラフは、1876年からの東京の年平均気温です。

不規則に上下動を繰り返しますが、上昇傾向をはっきりと読み取ることができます。移動平均Aは単年の不規則変動を除去した30年移動平均線です(30年移動平均では前後に15年ずつのデータを必要とするので、両端の15年は計算できません)。こちらを見ると大正時代(1912-1926)に線が上向きに転じ、以後、着実に温暖化が進んでいるのが分かります。

深沢呑川緑道桜縦

移動平均Bは直近30年の気温を平均して折れ線にしたものです(株価チャートの移動平均もこのパターンです)。移動平均Aの線を右へ15年ずらしたものにほぼ一致します。

この移動平均値を、10年単位に階段状に刻んでいった緑の線が、平年気温ということになります。この20年間で平年気温を下回った年は1993年だけです。1993年は暖冬から一転して記録的な冷夏となり深刻な米不足に陥りました。

2001年から2010年までの東京の平年気温は15.9℃です。30年前の平均気温から0.9℃上がっています。2011年からの平年気温は、よほどのことが無い限り、0.3℃ほど上昇することになりそうです。その時、桜はいつ咲くことになるのでしょうか。



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