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母平均の差の検定─エクセル統計による解析事例

2017/04/19

カテゴリ:

※ このコンテンツは「エクセル統計(BellCurve for Excel)」を用いた解析事例です。

分析データ

下図のデータは、40歳代男性の透析患者9名、同年代の病院職員の健常者7名のIgG値(mg/100ml)を測定した結果です。IgGとは免疫グロブリンタンパクの一種です。(出典;「医学への統計学[第3版]」朝倉書店)

透析患者と健常者のIgG値

分析の目的

透析患者のIgG値が健常者に比べて高いかどうかを調べます。有意水準5%で片側検定を行います。

帰無仮説 H0:透析患者と健常者の母平均は等しい
対立仮説 H1:透析患者の母平均は健常者の母平均よりも大きい

データラベルの選択

セル「C3」を選択後、[Ctrl]キーを押しながらセル「D3」を選択します。

データラベルの選択

メニューの選択

メニューより[エクセル統計]→[2標本の比較]→[母平均の差の検定(表形式)]を選択します。ダイアログが表示される際、透析患者のセル範囲「C3:C12」が「標本1の範囲」に、健常者のセル範囲「D3:D12」が「標本2の範囲」に自動で指定されます。[実データ]、[t分布]、[片側検定]及び[標本1 > 標本2]にチェックを入れ[OK]をクリックします。

[母平均の差の検定]ダイアログ

基本統計量

各群のサンプルサイズ、平均、不偏分散、標準偏差、標準誤差が出力されます。

基本統計量

等分散性の検定

2標本の等分散性の検定の結果が出力されます。帰無仮説は「2標本の母分散は等しい」、対立仮説は「2標本の母分散は異なる」です。

等分散性の検定

平均の差と効果量

2標本の平均の差と2種類の効果量が出力されます。観測値から算出される Cohen's d 、Hedges' g とランク化した値から得られる Cohen's d 、Hedges' g が出力されます。効果量は2標本の平均の差を標準化した値です。

平均の差と効果量

母平均の差の95%信頼区間

t分布及びWelch(ウェルチ)の方法を用いて母平均の差の区間推定を行った結果が出力されます。平均値の差の95%信頼区間は有意水準5%の検定結果と対応しており、検定結果が有意なら「0」を含まない信頼区間となります。

母平均の差の95%信頼区間

母平均の差の検定

t分布及びWelch(ウェルチ)の方法を用いて母平均の差の検定を行った結果が出力されます。観測値、ランク化した値それぞれにおける検定結果が出力されます。

母平均の差の検定

検出力

有意水準5%で片側検定を行った場合の検出力が出力されます。検出力(事後的な検出力)は、標本平均と標準偏差が、母集団の平均と標準偏差に等しいという仮定のもとに計算しています。事後的な検出力は、追試の実験計画を立てる際の参考になります。

検出力

考察

等分散性の検定のP値は0.9057なので、帰無仮説「2標本の母分散は等しい」は棄却されませんでした。
t検定の片側P値は0.0001なので、有意水準5%で帰無仮説「透析患者と健常者の母平均は等しい」は棄却され、透析患者は健常者よりもIgG値が高いと言えます。

※ 掲載している画像は、エクセル統計による出力後に一部書式設定を行ったものです。

ダウンロード

この解析事例のExcel ファイルのダウンロードはこちらから → example_3.xlsx

このファイルは、エクセル統計の体験版に対応しています。

参考書籍

関連リンク



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